ベートーヴェン・ツィクルスその1
年末だしベートーヴェンの交響曲を聴きなおそうと決意。せっかくだし、毎日一つの交響曲を、それぞれ違う演奏家で聴いてみることにした。
最初は交響曲第1番。演奏はアルトゥーロ・トスカニーニとNBC交響楽団による1939年のもの。
当たり前だけど、The トスカニーニって感じの演奏だった。めちゃくちゃ筋肉質で、無駄がない。モノラル録音もあいまった少なめの残響が、テキパキ感を強化していると思う。面白かったのは主題の移行におけるテンポ変化かな。漸次的に変わるのではなく、急激に(デジタル的に?笑)変わるからびっくりしてしまった。この急激さを「別世界への導入」と称賛するか「流れをぶち壊す」と嫌がるかは人それぞれだね(個人的には後者に近い)。あとは冒頭の属7の和音を、あれだけ力強く演奏することの是非についても、だいぶ意見が割れそう。
好みではないけど、トスカニーニはいつか集中的に聴かないといけない指揮者だよなと思っている。もちろん新即物主義の文脈でどのように言及されたかとか、実際のところ改変とかめっちゃしてた、といった社会史的な分析も必要だけど、何よりもまずあの異様なまでのパッションを味わい尽くしたい。
2019年12月18日鑑賞