電脳けん玉職人

らくがき

1月の読書記録

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1月は33冊の本を読んだ。読書の時間を意識して作ったので、それなりに成果が出て嬉しい。

 

読んだ本は以下の通り。

 

小田中直樹『フランス現代史』

西森聡『そうだったのか、新宿駅

小林賢太郎『短編集 こばなしけんたろう』

松村圭一郎『文化人類学の思考法』

早稲田文学会『早稲田文学増刊号「笑い」はどこから来るのか』

ウィリアム・シェイクスピア『お気に召すまま』

ブレイディみかこ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』

佐光紀子『「家事のしすぎ」が日本を滅ぼす』

金山亮太『サヴォイ・オペラへの招待』

ウィリアム・シェイクスピア『オセロー』

マッティ・フットゥネン『シベリウス

渡辺裕『聴衆の誕生』

髙木裕『スタインウェイ戦争』

エヴゲーニイ・ザミャーチン『われら』

チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ『男も女もみんなフェミニストでなきゃ』

ジャッキー・フレミング『問題だらけの女性たち』

森紗也佳『知的障害者の就労支援』

ジェフリー・アングルス『わたしの日付変更線』

町田康『猫のエルは』

米澤泉『「女子」の誕生』

斎藤紋子『ミャンマーの土着ムスリム

マイケル・Mホール『レッド』

ヴァージニア・ウルフ『ある協会』

濱野ちひろ『聖なるズー』

平安寿子『セ・シ・ボン』

ジャスティン・リチャード『タンタンタンゴはパパふたり』

フランチェスカ・パルディ『たまごちゃん、たびにでる』

ジェシカ・ウォルトン『くまのトーマスはおんなのこ』

町田康つるつるの壺

水無田気流『シングルマザーの貧困』

イアン・マキューン『未成年』

大友直人『クラシックへの挑戦状』

野宮珠里『新芸とその時代』

 

ジェンダー系は12冊読んだ。内訳は絵本が4冊、エッセイが4冊、小説が1冊、社会学系が3冊。もう少し社会学系を増やしたいな。

 

音楽系は6冊読んだ。いつもに比べて多く読んだ。

 

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勝手にベスト5を選出します。

 

●第5位 ヴァージニア・ウルフ『ある協会』

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男たちは社会で何をしているのかを探るという設定が素晴らしい。世の中で当たり前とされている概念を疑うには、いったん「ありえない」と思われる視点や設定を導入しなくてはならないのだけど、その設定が大変ユーモラスで純粋に楽しい小説だった。もちろん、そのユーモラスさゆえにジェンダーバランスの不安定さはより明確に描かれていた。

 

●第4位 大友直人『クラシックへの挑戦状』

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「目の前の観客を喜ばせる」ことをないがしろにしているクラシック音楽界への怒りがひしひしと伝わった。また、大友さんの様々な試みを知れて感動した。

本から抜粋された「オタクがクラシック音楽を滅ぼす」というプレジデントの記事がクラシックファンダムで少し炎上していたのだけど、これは「オタク」の意味が肥大化して、お互いが違う意味で「オタク」を捉えたためであり、かつお互いがお互いのことを知らなさすぎるためでもあるなあと思った。

クラシック好きコミュニティの新年会において、今年は「オタク」と自称しないと僕は宣言したのだけど、いきなりそれ関連で燃えてしまってびっくり。予言者かしら?笑

 

●第3位 小田中直樹『フランス現代史』

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わかりやすくまとまった歴史本。さすが岩波新書といった感じ。改めてドゴールの影響力を確認した。アンチョコ的な一冊。

 

●第2位 ジェフリー・アングルス『わたしの日付変更線』

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「言葉が違う」「国が違う」……安易に記述されてしまう「差異」について、様々な角度から表現する詩集。偉大な変奏曲の趣がある。

 

●第1位 金山亮太『サヴォイ・オペラへの招待』

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短いブックレットだったけど、めちゃくちゃ面白かった。名著。

教養が必要とされる作品を、わざわざ勉強して鑑賞しようとはしない人たちのために作られた、時事ネタ満載のイギリスの大衆劇サヴォイ・オペラ。それがいまやアメリカの屈折したナショナリズムの道具となり、ファンダムの中で「(当時の政治情勢などを)勉強してでも観たい」という欲望を抱かれる存在となったという、倒錯的な事態が描かれる。オペレッタとの比較や、オペラの「読み替え演出」などとの比較についても考えさせられる。

 

来月はもう少しハードな本をたくさん読みたいですね!