田中雅一『射精する性』
①性科学書・性マニュアル
性欲・勃起・射精は「自然」なものとされ、どれか1つが欠けても病気とされる。この延長線上に「排泄行為としての性行為」という語りが登場し、そこでは女性は「便器」とされ、そしてそれは快感とされる。このような言説を「排泄・支配系言説」とする。
しかし現代では快楽を与えることの方が重要視される。これを「快楽・支配系言説」とする。この言説においては、快楽を与えるための「長時間の勃起」が重要視される。
この二者は対立しない。
「快楽・支配系言説」においては射精は「快楽の終わり」
精液は「排泄・支配系言説」においては「男性による女性の支配の痕跡」であるが、「快楽・支配系言説」においてはネガティブなもの
②ポルノグラフィー
男性のセクシュアリティをめぐる言説は、ポルノグラフィと結び付けられている。
無限の力を持った魔法の道具であるペニス
超男性・ファロス
勃起中心主義は「排泄・支配系言説」でも「快楽・支配系言説」でも存在する
快楽与え続けるペニス=バイブレーター
ポルノグラフィが描く射精は、男性のオーガズムとしてではなく、女性が与えられる快楽として
カムショットとフェラチオの類似性
大量の精液 女性に襲いかかる暴力
「快楽・支配系言説」において快楽を求める女性像と
「排泄・支配系言説」において恥辱を快楽とする女性像は重なる
③相互行為としての射精
相互行為としてのセックスにおいて、男性の快楽は秘匿されている?
アンケート
射精時にはコミュニケーション成立
④失神する男性
ポルノグラフィでも受け身男性描かれてる
脱性器的オーガズム
2019年12月5日読了