電脳けん玉職人

らくがき

2020-01-01から1ヶ月間の記事一覧

エフゲーニー・イワーノヴィチ・ザミャーチン(松下隆志訳)『われら』

分裂的で読みにくかった。段落ごとに話題飛んでるやん!というところが幾つもあった。ただ、これは数学者の主人公が「破滅」していく様を文章で追体験させてるんやなと思ってなんとか食らいついていった。 とりあえずディストピア小説の古典の一つを読み終え…

髙木裕, 大山真人『スタインウェイ戦争ーー誰が日本のピアノ音楽界をダメにしたのか』

こういう本は基本的に「話半分」で読むのがベターだなと改めて思ったけど、松葉楽器の独禁関連の話とかは面白かった。 2020年1月12日読了

渡辺裕『聴衆の誕生ーーポスト・モダン時代の音楽文化』

まず、やはりこの本は1989年に書かれたんだなということがよくわかった。企業の名前がデカデカと掲げられた冠コンサートや、「特別感」にあふれた存在としてのサントリーホールなどの記述は、古文書を読んでいるようだった。 ただ、解説でも触れられていた通…

マッティ・フットゥネン(菅野浩和訳)『シベリウスーー写真でたどる生涯』

おさらいがてら読んだ。シベリウスをめぐる人々のことが簡潔に書かれていて良かった。 2020年1月11日読了

シェイクスピア(松岡和子訳)『オセロー』

(クラシック好きとしては『オテロ』と表記したいところですが……笑) 畳み掛けるラストを際立たせるために、「オセローが黒人であること」が劇の中盤では意図的に言及されていないのかなと思った。 2020年1月10日読了

金山亮太『サヴォイ・オペラへの招待』

サヴォイ・オペラの説明と、受容におけるナショナリズムや帝国主義について解説。めちゃくちゃ面白かった。 2020年1月9日読了

佐光紀子『「家事のしすぎ」が日本を滅ぼす』

エピソード集。調査資料の索引として使えそう。ただ、細かく分析したら「あれっ?」となるところがいくつかありそう。 2020年1月9日読了

ブレイディみかこ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』

良い本でした。 正直ショックなところも多かったけど、今こそ読むべき本だと思います。 2020年1月8日読了

シェイクスピア(松岡和子訳)『お気に召すまま』

「喜劇こそ最も悲劇的」だと感じてしまう。アリストテレスもシェイクスピアもチェーホフもまともに読んでない分際で偉そうだけど。 『お気に召すまま』もなんか微妙なモヤモヤが残る。結局のところ、田舎者は田舎者の運命から、馬鹿は馬鹿の運命から逃れられ…

早稲田文学増刊号『「笑い」はどこから来るのか?』

演劇の歴史を概観できたり、澁谷知美さんによるキレッキレの考察(&相変わらずの根気強いリサーチ…)を堪能できたり、差別の実態を突きつけられたりと色々興味深かったけど、やはり断トツで面白かった(あえてカッコを使わずに用いる)のはナイツ塙さんのイ…

松村圭一郎, 中川理, 石井美保編『文化人類学の思考法』

様々なトピックから文化人類学を紹介する本。ちょっとお腹いっぱい。 一つだけ印象に残った章を挙げるとすれば第9章の「戦争と平和」かな。近しい関係をリセットするために戦争が用いられることと、エリート層による動員を指摘されたのち、戦争地域に暮らす…

小林賢太郎『こばなしけんたろう』

コントや漫才および大喜利って、文字起こししても面白いか否かで大別できると思う。前者の笑いについて個人的には「システムの笑い」と呼んでいるのだけど、『こばなしけんたろう』はまさにシステム(だけ?)で押し切ろうとする作品だと感じた。 システムで…

西森聡『そうだったのか、新宿駅』

新宿駅の歴史がわかりやすく解説されていた。巻末の年表をきちんと「読み解ける」だけのリテラシーを身につけないとなあと思った。 2020年1月2日読了

小田中直樹『フランス現代史』

新年1冊目。 「分裂と統合の弁証法」という観点から第二次世界大戦後のフランス史を10年単位で語る本。がっつりヘーゲルに沿っちゃって大丈夫なのかしらんと門外漢ながら思ったけど、普通にいい本だった(というか問題点がわかるほど僕が勉強できてない)。…